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鉄道会社の列車遅延等による損害賠償

列車の遅延等による損害賠償額は何百万円から何千万円だそうです。 悲劇なのは自殺者です。その家族は悲しみの上に、この損害賠償を請求される可能性があります。実際は示談が多く、裁判まで発展することは非常に少ないそうですが、遺族の心痛は極まるでしょう。 また遺族にとって負の遺産として自殺者の債務を負う相続の話になるので、遺産総額にもよりますが、相続放棄を選択せざるを得ないこともあるでしょう。

 

一方、認知症者の鉄道事故により遺族が損賠賠償請求され最高裁(平成28年3月1日)まで争われた事件もありました。 この場合は、負の遺産ではなく、遺族である高齢の妻(事故当時85歳)の監督義務違反として720万円を鉄道会社が請求した事件です。判決は監督責任を認めなかったのでやれやれですが、85歳のおばあちゃんに損害賠償請求する鉄道会社の担当者にその気持ちを聞いてみたいものです。 ということは認知症者の家族にとっては、いつ誰から損害賠償されるかわからないリスクを抱えていることになります。

 

確かによく列車は遅延し「XX駅で人身事故による遅延」というアナウンスを聞きますが、遅れた分を鉄道会社から補償してもらったことはありません。すべての人身事故が自殺ではないでしょうが、鉄道会社にとっては何の損害なのかわかりません。

 

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